学校評価
〈令和6年度 学校評価 結果と改善のための対応策・改善策〉
佐野市立南中学校
《評価結果》
① アンケートの結果
・生徒による評価【資料1】R6 生徒用全体集計表② HP用.pdf
・保護者による評価【資料2】R6 保護者用アンケート用紙・集計表 HP用.pdf
②校務分掌単位での課題の把握と対応策・改善策
全体的には、多くの項目で「A:よくあてはまる」「B:ややあてはまる」の肯定的な 回答が8割~9割を占めている一方で、A・Bの合計が7割を切るものや否定的な回答のC・Dの2割をこえるものもあり、今後の改善のポイントや方向性を示していると思われる。その中でも、「学校に来るのが楽しみですか」との問いに、生徒の4分の1が否定的な回答をしており、保護者の「学校生活が楽しいと言っている」の否定的な回答よりも10%以上高い数値になっている。この「楽しい」に関する数値の改善については、他の質問項目の改善が必要条件となってくるものと思われる。
また、その他にも保護者の結果と生徒の結果には、同じような項目を比較した場合などに特徴的な差異があり、その認識の違いの中にも今後取り組むべきポイントがあるものと思われる。特に保護者の回答にE「分からない」が多いことは、学校と家庭との連携において大きな課題と思われる。
この結果を受けて以下の通り、各校務分掌担当者で分析し対応策・改善策を検討した。
【学習指導】
昨年度同様に、授業の分かりやすさや学習内容や方法・学力の定着については、生徒・保護者ともに、不安や困り感がある状況が読み取れる。特に保護者の不安感が強くなってきている様子が窺える。来年度へ向け、次のような取組を行う。
・一人一人の生徒にとってより分かりやすい授業にしていくために、年度当初に教科部会で指導法、単元指導計画、評価方法など綿密な打合せを行うとともに、資料の共有や研修での成果の共有を行ったり、定期的に生徒の理解や進度について情報交換を行ったりして、工夫・改善を行う。
・教師と生徒との対話や生徒同士の対話を重視し、授業への関心・意欲を高め、自分事としての学習が成立する工夫を行う。
・基礎的な学力を定着させるために、1人1人にあった家庭学習の内容ややり方を工夫し、家庭での復習により学校で学習したことを身に付ける習慣づけを図る。
・授業の受け方、ルール、姿勢など学業指導を充実させ、真剣に授業を受ける基盤を形成する。
【生徒指導】
清掃などの活動をまじめに行うことや、決まりを守ることなどに課題が見られる。また、いじめを許さないという雰囲気については、E「分からない」の回答の割合も高く、十分な認識には至っていないことが考えられ、大きな課題の一つといえる。来年度へ向け、次のような取組を行う。
・清掃活動は、学校生活において全校生徒が協力して行う活動の原点の一つであり、その意義を教職員が共通理解し、足並みをそろえた指導を行う。
・学校生活の観察や鑑ノート、生活アンケートなどでいじめの兆候を把握するとともに、情報をつかんだ場合は、被害者側にたって素早く組織的な対応を行う。
・指導に当たっては要因や背景について、当事者が十分理解できるまで指導し、いじめはどんな理由があってもが許されない行為であり、「いじめる側が悪い」という強い認識を育てる。
・基本的な生活のルールやマナーを守ることができる集団を作ることで、生徒の誰もが安心して生活できる基盤を作る。そのため、年度当初の学級活動の時間を充実させ、生徒一人一人が学級や学年の形成者であることを認識しながら、決まりやマナーを守る態度と意欲を育てる。
・生徒の学級や学年における活動を、教員が共通した認識で見守り、支援や指導を行い、生徒一人一人が良さを伸ばし、課題を克服できる支援体制を整える。
【人権教育】
保護者の人権教育に関する設問の回答は、Aが6割台と比較的低く、Eの「分からない」が3割近い結果となっている。これは、「あいさつ、ルールやマナー」「いじめのない学校作り」等の設問の数値が比較的肯定的な回答の数値が低く、Eの回答が多いことと共通している。生徒の数値を見ても、「決まりを守る」ことや「清掃に一生懸命取り組む」、「授業をまじめに受ける」といった設問で1割程度の回答が否定的なものとなっている。これらは、必ずしも直ちに人権侵害につながるものではないが、誰もが人権を尊重される安心安全な人間関係の基盤としては不十分な状態と言える。生徒の人権意識を高め、互いに尊重し合う学級・学年・学校を創るため、次のような取り組みを行う。
・人権に関する現職教育等を通して、教職員の人権意識を高め、共通した認識を形成する。
・学級活動、おはようタイム、あすなろタイム等の時間に定期的に人権に関する話題やニュースなどを取り上げたり、「私の人権宣言」などを継続的に掲示したりすることで、日常的な人権意識の醸成に努める。
・人権週間において、身近な人権問題を取り上げたり、様々な人権問題について考えたりすることで、人権を自分事として捉える認識を高める。
・人権についての取り組みについて、ホームページや各種たより等を通じて保護者や地域に発信し、連携して取り組む基盤づくりを図る。
・「あいさつ」とは、互いに認め合う行為の第一歩であるという教職員の共通理解を強め、教職員自らが大きな声で相手に伝わるあいさつを心がける。
・人権・福祉委員会の活動を活性化させ、人権週間を年2回実施し、生徒の人権意識の高まりを実感的に認識できるようにする。
【特別支援教育】
誰もが学習に前向きになるためには、つまずいている生徒一人一人にあった支援が必要だと考えられる。また、発達上の特性があり、学校生活の困難を抱えている場合も考えられる。来年度へ向け、次のような取組を行う。
・特別支援学級や交流教室の学習指導において、つまずいている生徒に対して、教員が個別の指導をする際、生徒に分かりやすい具体的な指示ができるよう、教職員間で共通認識をもつ。
・通級指導教室の利用を促すために、通級指導教室担当教員が積極的に情報を発信するとともに、特別支援教育コーディネーターを中心に、通常学級の生徒の中で困難を抱えていると思われる生徒に学級担任・学年主任等を連携して働きかけ、家庭の理解を深めるための情報を発信し、一人一人のより有効な支援につなげる。
【キャリア教育・進路指導】
今年度もオープンスクールや3年生での佐野短期大学での体験授業、2年生でのアウトレット訪問、1年生での等挙フード訪問など様々なキャリア教育に関する行事を行ってきた。一つ一つの行事は、意義あるものであったがそれが系統的にどのように生徒のキャリア形成力につながっているのか、明確になっていなかったことが、「生き方を考える」ことにつながらなかった大きな要因と考えられる。来年度へ向け、次のような取組を行う。
・キャリア教育・総合的な学習・学年主任が中心に、キャリア教育の系統的な計画を作成し、教職員の共通理解の下で、各学年・各学級の取り組みを進める。
・生徒一人一人に自らの生き方を考えることがキャリア教育であることを、年度当初に十分指導し、生徒自身が自己のキャリア形成のための学びを実感的に理解できるようにする。
・キャリア教育の目的を達成するため、各行事の実施時期や実施形態等を改善し、より実効性の高いものにする。
【特別活動】
生徒の回答から、E「分からない」という回答が1割程度あり、様々な活動に生徒一人一人の主体性が不十分であることが窺える。その要因として、生徒一人一人にとって生徒会活動やその中の委員会活動について、自分事としての認識に至っていない様子もあると思われる。来年度へ向け、次のような取組を行う。
・年度当初の指導において、生徒会活動の意義を生徒が十分に分かるように伝え、各担当の教員が共通の認識で指導に当たる。
・委員会活動においては、生徒の意見を吸い上げ、学校全体のために自分の担当として何ができるのか考えさせ、合意形成を図りながら、具体的な計画を立てて実践できるよう支援することで自己有用感や自己肯定感を育てたい。
【安全指導】
今年度も、交通事故が絶えることは無く、中には大きなけがにつながったものもある。幸い死亡事故は至っていないが、その恐れも十分にある状態である。また、家庭に帰ってからヘルメットを着用しないで自転車に乗っている様子も見られる。交通安全に関する意識を高め、事故の無い安全な生活ができるよう、次のような取り組みを行う。
・生徒の交通安全に対する意識を高めるため、毎日のあすなろタイムで、「一列通行」「一時停止」「左右確認」+「だめ絶対飛び出し」を確認し、当たり前の認識として実践できるよう徹底する。
・家庭に戻ってからのヘルメットの着用について、保護者も同じ歩調で指導できるようPTAと連携して呼びかける。
・なぜ交通事故が起きてしまうのか、その原因・背景等を理解できるように指導するとともに、ルールを守る意識を高める。
・交通委員等の活動による呼びかけや交通安全マップ作りなど、生徒自身による安全意識の向上に努めさせる。